I-PACS EX の紹介



このページは診療放射線技師の方向けに作りました。PACS更新・導入の際の参考にしていただければ幸いです。



当クリニックではコニカミノルタヘルスケア製のPACSサーバー「I-PACS EX」を2008年3月に導入し、稼働しています。2008年4月の点数改訂によりフィルムレスへの移行を考えている施設の方には一番興味のある部分だと思います。サーバーの選定に当たっては、医療機器メーカー製のものであること、DICOM配信されるものであること、小型で安価であること、使っているサーバーメーカーが信頼出来る物であること、コンピューターに不慣れな人でも簡単に使えること、こういった条件に当てはめていくとこのクラスのPACSサーバーでは I-PACS EX しか無いんですね、ということで他の選択肢は無く、おのずと I-PACS EX を選ぶことになりました。


 I-PACS EX 本体です。サイズ的にはフルサイズのミドルタワー位なので置き場所に困ることは無いと思います。通常の机の下にすっぽり入る位のサイズです。サーバーですのでパソコンとして使う事は出来ません。基本的にソフトウェアが何もインストール出来ないので、プリント機能はあるんですがドライバがインストール出来ないため、他のPC経由でネットワーク出力しなければ印刷も出来ません。ですので I-PACS EX 単体での運用は難しい物があるように思います。クライアントPCは必須ですね。左のシルバーの筐体は検査データの配信サーバー兼ファイルサーバーです。


左が1TBのNASとUPS(無停電装置)です。意外と重量があり、場所をとりますので置き場所は確保しておいた方が良いと思います。右の写真が繋いでいるディスプレイ、EIZOのRX210(医療用高精細2Mカラー)です。通常は画面のサーバーモニターと接続モニターが立ち上がっています。 I-PACS EXは同時接続台数が5台の制限があるのでここで管理します。従ってサーバー本体はPACSの管理者の手元に設置するのが望ましいと思います。当院はCT操作室に検査データ配信サーバーと一緒に設置しています。



ビューアー画面です。RX210に慣れると他のモニターではちょっと見れませんね。昨日、肋骨骨折の方が居たのですが、CRコンソールのモニター上では分からなかったものがRX210で見直すとはっきり骨折が見えてちょっとあわてました。通常のPCモニターでも、MacBookでもやはり良く見えませんでした。DICOMデータだからなのでしょうが、PC用のモニターで見ると写真が白っぽい様に思います。PCモニターで適正な濃度・コントラストで写真を見るためにはディスプレイキャリブレーションは必須ですね。X線写真を見るということでモノクロモニターにこだわる方もいらっしゃるかもしれませんが、3DCTはカラー表示が必要ですし、各種アイコンやアノテーションもカラーですので、モノクロモニターじゃ使いにくいと思います。



左はPACS用のハブ、GIGAベースのハブを使っています。右はルーター、YAMAHA製です。当院は電子カルテ・PACS・通常PCと三つのネットワークが混在しているため、3台のルーターを使って他ネットワークとの通信を可能としています。



CRのところでも書きましたが手前の巨大なキーボードが純正キーボードです。サーバーにこんな大きなフルキーボードは必要ないと思うんですが...実際は上のコンパクトなキーボードを接続して使っています。またマウスなんですが...純正品はやはり全く使い物になりません。これぐらい動きの悪いマウスも珍しいくらいです。速攻で市販品のレーザーマウスに変えました。キーボード・マウスは機器を操作する重要な部分なので、メーカーさんはもう少し考えて欲しいなと思います。



左は検査データ配信サーバーに使っているキーボードです。サーバーは普段使うわけではないので、このくらいのキーボードで良いんですよね。右は診察室で使っているロジクール製のキーボードとワイヤレスマウスです。



診察室で使っているクライアントPC K400Li です。机上に設置するとかなり置き場所をとるので、机の横に書籍等も収納できる専用ラックを特注で作りました。ミドルタワーの割には奥行きが短く、コンパクトな方だと思います。PACSクライアントとしてだけでなく、検査データの閲覧や意見書の作成、健診・人間ドックのデータ入力など、通常PCとして多岐に渡って活躍しています。



このPCはかなり高速で、Core2DUO2.66GHz、メモリ2G、グラフィックボード256MBと非常に低価格な割に高性能です。自作機ならではですね、メーカー製のPCではこうは行かないと思います。ちなみにI-PACS EXのビューアー立ち上げにかかる時間が手元の時計で約8秒でした。PEN4-3GHzで計ったら約12秒でした。
DICOMデータを扱うため、ビューアーとして使うPCはハイスペックな物が望ましいと思います。遅いPCで運用したらかなりストレスが溜まるんじゃないでしょうか。



診察室はRX210と19インチモニターの2面仕様です。診察室で使う場合はリストと画像は別のモニターで運用する方が断然使いやすいと思います。余談ですが、縦型モニターで検査データを表示しますと、スクロールすることなしに一面で表示出来ます。これは見るのが非常に楽です。これは思わぬ副産物でした。ちなみにYahoo等もスクロール無しに一面表示出来ます。プリンターはネットワーク対応の物を設置し、PCからでも電子カルテからでも打ち出せるようにしています。



これは、MacBook Core2DUO2.4GHzです。BOOTCAMPを使いWindowsXPとMacOS Xの両方が使える様にしています。Windowsで立ち上げるとI-PACS EXのクライアントになり、OS Xで立ち上げるとOsiriX経由でPACSにアクセス出来ます。これがしたいがために買った様なものです。(^^;、いや、余談でした。



放射線科でクライアントにしているPCで、Pentium4 3GHz、メモリー2G仕様のマイクロタワーです。骨密度測定装置のコントローラーや内蔵脂肪測定なども兼ねています。ホームページ作成や各種データ入力もこのPCですね。PACSクライアントとして使うにはちょっと役不足の感じはします。

右はビューアーを起動したところです。毎回IDとパスワードを入力しないとログイン出来ません。これ結構面倒なのでせめてIDだけでもプルダウン方式にするとか、電子カルテみたいにして欲しいなと思います。今時だから指紋認証とかでログインするように出来ないのかな......。



左が撮影リスト、リストをダブルクリックすると画像が表示されます。右は読影画面。前回データが有る場合は比較読影モードにすると自動的に前回が右枠に表示されます。各種機能がアイコン化されていてとても分かりやすく、PCに不慣れな人でも使いやすいと思います。実際5分程の説明で、誰でも使えるようになるんじゃないでしょうか。当院では説明する前にすでに看護部の人たちが使ってましたね、そういえば。



CTの読影画面です。マウススクロールで画像が送られるので、操作が非常にやりやすいです。モニターで見るとフィルムと違って連続性がつかみやすいので、読影も随分楽だと思います。右は拡大ツールを使ったところです。これが使えるんですよ、結構!。



各種画像計測もアイコンからプルダウンさせて選ぶので、あまり悩む事無く使えます。透析患者の毎月の心胸比計測も大きなさしを使っていたのが必要無くなり、とても使いやすいです。全体的に分かりやすいインターフェースで、他部署から使い方で呼ばれる事はほとんどありません。

当院では、ここに書いた以外に、医事課・透析室・病棟で汎用のPCをクライアントにし、画像が見れるようにしています。




 PACSの導入ということでかなりの事前調査をしました。当院規模で入れるサーバーとしてはなかなか適当な規模の物が無く、あってもベンチャーのような、大丈夫かな、これといったものばかりでした。そうした中で医療機器メーカーが出してるものがコニカミノルタ製のI-PACS EXともう一社、○○社の○○○○○○○がありました。よく調べると○○社のものはWavelet圧縮がどうたらこうたら.....なんだこのWaveletって.....と調べると、JPEGやんけこれ!(-_-;)、DICOMサーバーと言いながらJPEGで配信するってどうなん!、ってことであっさり却下。本物のDICOMサーバーで小規模なものはI-PACS EXしか無いんですよね。

 で、デモ機をさわらせてもらったんですが、この使いやすいインターフェースに惚れました。○○社のものはDell製なのに対してIBM製なのも決めてのひとつでした。Dellには過去何度も痛い目にあわされてますので。

 気をつけなければいけないのがDICOMデータを配信しますので、ネットワークをしっかりした物を構築していないとトラブルが結構出ると思います。特にハブやルーターは一般家庭向けの安物を使わない方が良いと思います。そこら辺はネットワークのプロに任せた方が良いでしょう。電機屋さんにLAN線を引っ張ってもらうのはちょっと怖いですね。
 
 ディスプレイについては、コニカさんの絶対のオススメということでEIZO RX210をチョイスしました。確かにこれは良いディスプレイだと思います。一度使うと手放せなくなります。他院の先輩から他社2M高精細を使っていて、時々「見えないからフィルムに出してくれ」とDrから言われると聞いていたのですが、RX210で二ヶ月運用して、そういったケースは一度も無いですね。

 また前述の通り、このシステムはディスプレイを選びます。PC用ディスプレイを使うと白っぽくなります。中にはディスプレイ本体で調整のきくものもあるんですが、大抵の汎用のものは本体での調整は難しいと思います。私はソフトウエアを使ってキャリブレーションをとって合わせていますが、ディスプレイの調整は非常に難しいので、購入の際は、コニカミノルタの営業担当に良く相談して下さいね。

 I-PACS EX 本体だけで運用されてる施設も有るようですが、前述の通り、クライアント無しではフル機能使うことが出来ません。一台でも良いのでクライアントは必ず一緒に入れておいた方が後々困らないと思います、出来たらネットワークプリンタも一緒に。またクライアントもかなりの性能を要求されますので、安易に本体の小さいPCやノートPCなどにしないほうが良いでしょう。私としては自作機で最新のチップセットの載ったPCが性能的にも価格的にも一番適してると思います。この点も購入の際は、コニカミノルタの営業担当に良く相談して下さいね。

 ディスク容量はコストのこともあり、一番容量の少ない250GBにしました。2ヶ月運用して、CRが約200件、CTが75件の撮影で、使用容量が7.57GB(全体の4%)です。このペースだと本体だけで5年近くはもちそうです。またNASの1TBを一緒にいれてありますので、十分だろうと予想してます。ま、足らなければまた足せばいいだけの事ですし。

 あと、あくまで I-PACS EX はサーバーなんで、パソコンの感覚で使わない事が大事だと思います。サーバーは配信するためのものであって、機能があってもビューアーとしてフル活用するのはあまり良くないと思います。フル活用するのはクライアントPCの方ですね。逆にクライアントをPACSビューアーとしてしか使わないのはもったいないと思います。

 I-PACS EXは、ソフトウェアのバージョンがまだ1.0.2なので、使い勝手の面やバグも結構あります。ま、バージョンアップは頻繁にされるみたいなので、そこはメーカーさんに期待して大目にみています。

 約2ヶ月運用してみて、特にトラブルもなく、順調に運用出来ています。ん?と思う点も多々ありますが、全体として見ればかなり高い評価を付けれると思います。ご存じの通りフィルムレス化するメリットは計りしれません。それに対してデメリットってほとんど無いんですよね。このシステムを一度使い出すともう手放せなくなります。I-PACS EXを中心としたPACSシステム、小規模施設にはかなりオススメです。

 私自身PACS導入に際して、I-PACS EXの情報を得ようとネット上を随分検索したのですが、欲しい情報はあまり得られませんでした。同じようなことで悩んでいる同職種の方の参考になればと思いこのページを作成しました。少しでも参考になれば幸いです。

 最後に私の無理難題に誠実に答えて下さったコニカミノルタヘルスケア岡山営業所の皆様、ネットワーク構築の際ご尽力を頂いたセキュリティハウスの皆様、各種PC・ネットワーク機器購入の際ご協力頂きましたコンピューターショップ ZOA岡山店 の皆様に感謝申し上げます、有り難うございました。今後ともよろしくお願いします。



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