調理にあたって行う下処理方法

透析患者さんにとってカリウムは生命に関わる重要な物質です。そのカリウムは全ての食品に含まれますが、特に果物や野菜に多く含まれます。カリウムは水に溶けやすく調理行程により食材に含まれている量を減らすことが出来ます。食品中のカリウムを減らすことで普通の量を摂取出来るようになるのですが、その下処理方法を正しく実践出来てないことを時々耳にします。

そこで、どの状態まで切った物を水にさらせばいいか、茹で具合、浸水時間などを説明したいと思います。


1)水にさらす

生野菜は切ってから30分以上水にさらす。(カリウム量約1/5に減る。)

◇ 酢物のきゅうり ◇


・この状態に切ってから30分以上水に浸ける。

・30分の間に1〜2回水を新しい物と代える方がより効果があります。


◇ ハンバーグの玉葱 ◇
・細かく切って水に浸ける方が多くカリウムは抜けます。
・水に触れる面積を増やすということです。



☆ POINT ☆

※ 茹でこぼす行程より細かく切って長い時間水に浸ける方がカリウムはよく抜けます。上記で述べたように浸けている間、数回水を換える作業をするとより効果的です。

★ 水に浸けることが出来ない物として
 ★
◇ トマト ◇



・トマトは水に浸けることが出来ないので一回の食事で食べられる量を載せておきます。

・果物に比べるとカリウム含有量も少なく彩りにも良いため当院でもよく使用しています。



2)ゆでこぼす


一度ゆでてからゆで汁を捨てて調理する。(カリウム量約1/2〜1/3に減る。)

◇ 肉じゃがのじゃがいも ◇

・完全に茹でてしまうと調味料を入れて煮た際にボロボロに煮崩れてしまいます。
・そのため8〜9割り火が通ったらゆで汁を捨てて調理する。
◇ 煮物のだいこん ◇



・茹でこぼすのは一手間ですが、一度下茹でした物を調理すると味が染みこみやすくとても美味しい煮物が作れます。





☆ POINT ☆


※よく勘違いされている事として、火を通せばカリウムが無くなると勘違いをされている方がいます。カリウムは水に溶ける物なのでいくら火を通しても量は変わりません。ただ電子レンジで加熱するだけではダメですが、ボールに水を入れその中に野菜を入れて電子レンジにかけるというのは正解です。電子レンジから出した後、ボールの水は捨てれば鍋で茹でこぼしたことと同条件になります。


※カレーや肉じゃがをする際、玉葱も茹でこぼす方がおられますが、写真のように玉葱は切って水にさらすだけでも構いません。下ゆでしてから調理すると出来上がった時には原型が無くなってしまい、見た目も悪くなってしまいます。


※芋類は切ってアク抜きのため水に浸けますが、芋類は組織が硬いため水に浸けただけではカリウムを十分に除去する事はできません。そのため芋類は切って水に浸けた後に茹でこぼしを必ず行ってから調理してください。
※ 乾物(かんぴょう、切り干し大根、干ししいたけ)には生の時に比べてカリウムが凝縮されて含有しています。そのため水に浸ける、茹でこぼすといった作業を生の野菜よりしっかりとする必要があります。 戻し汁はカリウム濃度が非常に高いため、使用しないでください。


 
文頭で述べたようにカリウムは生命に関わる重要な物質です。筋収縮に重要な物質のため過剰摂取をした場合、最悪は心停止を起こす恐れがあります。また透析機械で除去出来るカリウム量及びリン、水分等には限度があります。通常の透析であっても体への負担は大きいため、少しでも体への負担を軽減出来る食事療法はとても重要な物です。これから透析に入られる方、又は現在透析を行っている方はここで紹介した内容を役立ててみてください。ここで紹介した内容が少しでも閲覧して頂いた方の役に立てれば幸いです。

小林クリニック栄養科


当院の食事を レシピ集にて掲載していますので是非参考にしてみて下さい。 →   小林クリニック 透析食レシピ集

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